治る腰痛、治りにくい腰痛、治らない腰痛   令和元年 8月2日投稿

腰痛は治療院に来院する際の症状では頻度が高く、総数としては1、2位を占めていることが多い。

腰痛と言っても医学書などで分類すると様々なものがあるが、臨床的に大事なのは治るか、治らないかということだけだ。

治りやすいものには疲労性・労作性の急性腰痛がある。
これは疲れている時にふと体を曲げたり、ひねったり、物を拾おうとしたりの動作が入ることで起きる。
柔整的には腰椎捻挫だろうが、疲労が溜まっていないときには起こらない。
痛みが強く、トイレにも歩けないような状態が一時的に生じるが、
会社などを休み、家でゆっくり休んでいれば、何もしなくても数日で良くなることが多い。
治療部位も指で指し示してもらうと「ここです!」と分かりやすい、治療すると楽になるが、重要なのは休息である。

患者さんが痛みの部位を「ここです!」と指し示しにくく、「このあたりなんですけど・・・」とぼんやり指し示す場合は、
原因箇所が少し奥の方であったり、2、3か所など複数存在していたり、慢性的な状態になっている。
この場合は原因箇所を探りながら一つ一つ鍼で治療していく必要があるので、回数がかかることがある。
治っていく過程で、痛みの部位が変わってくることも多い。
これは人間は一番痛いところしか脳が認識しないため、治療していくと1番痛いところと2番目に痛いところの順位が入れ替わるためである。

また、突然腰が痛くなり、数週間、数か月痛みが持続しているものがある。
痛みは鈍痛であり、動作をした時だけでなく、ジッとしていても痛いものがあるが、
これは仙腸関節性の腰痛で、痛みの場所は腰というより骨盤を指さす。
この腰痛は痛いところに鍼をしてもあまり改善しない、ましてや筋肉を揉んだり、電気を当てても良くならない。
鍼による特殊な仙腸関節刺鍼とAKAなど仙腸関節にアプローチできる手技をもちいることで改善する。

また、交通事故後や、昔の大きな怪我、長年の強い労作性の負担が腰や股関節、臀部に掛かって腰周囲に苦しい痛みを生じる場合がある。
これは大腰筋や腸骨筋、小殿筋などが強い力で変性したり、炎症後に線維化したりしたものだと考えられるが、
鍼で患部を細かく探ると消しゴムのような硬い組織にぶち当たる。
ここを丹念に治療していかなければ、どんな治療をしても良くならない。
鍼治療の独壇場だと思う。

骨の変形、仮骨など器質的なものが原因の場合や精神疾患が絡んでいる場合はどんなに治療しても治らない。
もしかしたら、先祖の○○が関係しているものもあるかもしれない・・・・。

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