掌の温度と、上手下手   2019.2.5

患者さんの施術していると
「先生の手は温かくて気持ちが良いねえ」と言われることがあります。

最初は元々温かい方なのかなと思っていましたが、
そうではなくこれも訓練だと思うようになりました。

学生の頃に、生徒同士の実技で鍼やマッサージをすると、手が冷たい人が結構いました。
女性ややせ型の男性に多かったように思います。

そんな時に実技の先生が
「マッサージの練習をしなさい、特に軽擦法だよ」とおっしゃっていました。

軽擦とは”さする”手技を言い、マッサージでもあん摩でも指圧でも軽擦から始まり、軽擦で終わるのが基本です。
この練習をすることで、手掌の毛細血管が開きやすくなり、手が温まってきます。

熟練した名人と言われる先生の手は間違いなく、柔らかでぷよぷよしておりじつに気持ちが良いものです。
私の恩師の形井秀一先生(筑波技術大学名誉教授、現同峰パーク鍼灸院院長)のお手を触らせて頂いたときも間違いなく柔らかで気持ちがよかったです。
そして、間違いなく温かいのです。

私もまじまじと自分の掌を触れてみると、まだまだ硬いような気がします。
修行がまだ足りないということですね。

そして、最近気づいたのですが、患者さんに触れていないときは手が温まってなく、患者さんに触れだすと温まってくるのです。
最初は朝だからかなあと思っていましたが、
朝でも昼でもその日の最初の患者さんは触れだし始めは冷たいことに気づきました。
なので、休術日の時は昼夜温かくありません。

実に不思議なことですね。
施術モードになると、脳内にその刺激が伝わり、手の末梢血管が拡張するのでしょうか?

皆様もいつも施術を受けている先生、施術を受ける先生の掌の温度を気にしてみてみてください。上手いか、下手かの一つの道標になるかもしれません。

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