頭、顔面、耳、口の症状

頭痛・片頭痛
効果 緊張性頭痛
偏頭痛
代替性
鍼の響き
総評

頭痛は緊張型頭痛、片頭痛、群発性頭痛、その他があります。

緊張型頭痛は姿勢による首や肩、背中の筋疲労や心理的なストレスなどで首や頭部の筋肉が緊張するために生じるもので十分な治療対象となりえます。数回の施術で痛みが出なくなり、定期的な施術で頭痛薬を飲まなくなることも多いです。

片頭痛はマッサージなどの刺激は禁忌とする報告もありますが、私は治療して悪化させたことがありません。これは局所の治療だけではなく、全身の血行や自律神経のバランスを整えることが片頭痛のメカニズムに影響を与えているかもしれませんし、緊張型頭痛と片頭痛の混合型のうち緊張型頭痛の方が良くなったのかもしれません。いずれにしても病院や整体などで良くならなかった頭痛を一定数以上緩解させてきています。生理周期による頭痛を改善させたい方は骨盤の治療も必要です。

群発性頭痛に関しては治療した経験があまりありませんが、強い頭痛薬を飲まないくらいまでに緩解しています。

その他には脳内出血、脳腫瘍、副鼻腔炎、感染症などで頭痛が起きますので、原因不明の頭痛ならば躊躇せずに直ぐに医療機関を受診してください。きちんと精査して問題が無ければ、むしろ東洋医学の方が頭痛を卒業できます。

あと、高血圧の人または(ストレスや疲労などで)血圧が何かの拍子で上がりますと頭痛になることがありますので、一度、自宅の血圧計で測定してみてください。ストレスや疲労で血圧が上がっている場合は鍼灸の施術で下げることが可能です。

効果:頭痛の診療ガイドライン2021にも鍼灸が推奨されるレベルで記載されております。https://mumsaic.jp/info/index.php?c=topics2_view&pk=1637556344

chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.jhsnet.net/pdf/guideline_2021.pdf

無理をしても頭痛が起こらなくなるには5~10回はかかります。週1回の施術を2か月続けてみて下さい。

代替性:他の療法と比べても決してコスパが低いことはないと思います。頭痛薬の卒業を考えてる方には良いと思います。

鍼の響き:そこまで痛くないと思います。1~3番の太さの鍼を使うことが多いです。

総評:鍼灸の治療が嫌いでなければ試してみる価値は十分あります。

顎関節周囲の痛み・違和感
効果
代替性
鍼の響き
総評

臨床で遭遇するものは突発性三叉神経痛と帯状疱疹による神経痛と顎関節症からくる痛み、ストレス性のもの、首・肩こりからくるものと思われます。

三叉神経痛は三叉神経の神経痛で、三叉神経は耳の前あたりで三つの枝(眼神経、上顎神経、下顎神経)に分かれており、おでこ・鼻・眼まで(第1枝領域)、下まぶた・頬・上唇まで(第2枝領域)、下唇から下顎・下の歯茎・舌の半分(第3枝領域)の感覚をつかさどっています。

鍼や灸で三叉神経の枝が出ている場所のツボや耳周りの筋肉の緊張にアプローチすることで、神経の絞扼を改善させるのですが、最低5回くらいの施術は必要です。

顎関節症など歯科に問題がある場合は、治療後は良いが、痛みが戻ることも多いです。やはり原因部位の治療が必要だと思われます。

帯状疱疹は発疹が出ない場合(皮下に起こっている場合)と発疹が出る前段階では目で発疹を確認できないため、頭痛やあごの痛みと勘違いする場合があります。発症期は現代医学的な治療を優先させてください。予後は良好です。後遺症として痛みが残っている場合は鍼灸が効きますが、出来るだけ早く来ていただいた方が治りは良いです。

耳鳴り・難聴
効果
代替性
鍼の響き
総評
まず、突発性難聴をはじめとする難聴は治らないものが多いです。中には専門鍼灸院などありますが、私には理解できません。

耳鳴りに関しては下記に<軽快・改善する可能性がある場合>に記したものだけは良くなります。<不変・治らないもの>に記したものは当院では難しいです。
以前は積極的に治療したことがありますが、今は予約をいただいたときに状況をお聞きするようにしています。
それは鍼灸治療院に連絡いただくような耳鳴りは発症してから時間が経っていることが多いため、かなり難しいケースもあるからです。
以下の私の基準は昔のブログから持ってきたものでありますが、臨床経験不足もあり、まだ、耳鳴りの治療に対して可能性を感じつつ、少し粋がっている文章ですが、まだそのまま載せています。
『耳鳴りの鍼治療』
ここ1~2年の間に耳鳴りの治療を6例ほど行いました。  結果改善・治癒5例  不変1例でした。 治療はすべて鍼による治療を行いました。男性1名、女性5名年齢:…

<軽快・改善する可能性があるもの>
→ストレスや不安からくるもの、首の筋肉のコリが原因で耳鳴りを引き起こしているもの
・難聴が伴わない。
・内耳・中耳の器質的疾患がみられない。
・首肩こりも伴う。
・特に胸鎖乳突筋の過緊張がみられる。
・首を動かしたり、首の筋肉を押すと耳鳴りが強くなったり、弱くなったりする。
・耳鳴りがドクドク、ドックドック、ザラザラなど拍動音のような感じに聞こえる。
・天気やストレスなどで変動などがみられる。

<不変・治りにくいもの>
・難聴も併発している。
・内耳・中耳の器質的疾患があると診断された。
・頚部の緊張がみられない。
・四六時中耳鳴りがあり(日内変動等無し)、何をしてもしなくても常に鳴っている。
・耳鳴りが始まって半年以上経つ。
・精神病や心療内科的疾患を抱えている。

花粉症
効果
代替性
鍼の響き
総評

花粉症によるくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみに鍼は効果があるのか?
当院の上頚神経節刺鍼法という特殊鍼法を用いたデータでは、およそ症状が半減するという結果でした(若干、目の症状が鼻などの症状よりも良い)。

これを効いたとするか、あまり効かないとするかは人それぞれの判断となるが、人体に何らかの影響を及ぼした可能性はあります。特記すべきことは、花粉症薬を既に使用しているが、症状の緩解に満足しない方に効果がみられたということです。

しかしながら、花粉症は季節ものだから、花粉飛来のピークもありますし、辛い人は各々で何らかの対策はしていますので、それが結果に影響した可能性は0では無く、「本当に鍼の効果なのか?」と問われますと「未だEBMもなく、分からない」としか答えようがありません。したがって、“アレルギーの薬が飲みたくない”、“薬を飲んでもあまり効果がない”という方のみが対象となるかもしれません。

でも、毎年数名、「花粉症の鍼をしてください」とおっしゃるし、この特殊鍼法を用いている同業の鍼灸師の先生のところも毎年、花粉症患者に1~4月にこの鍼を行っていますので、ある一定の何かはあるのかも知れません。

アレルギー性鼻炎に星状神経節ブロックを行っているペインクリニックもありますが、よく分からないのでコメントはできません。